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〒204-0003 東京都清瀬市中里2-669-4
合同会社みらい
「惜しい」
見習いのころ
介助が上手くできなかった
「ごめんね上手くできなくて」と謝ると
こう言って励ましてくれた
その人は経営者だった
介護をしてあげているのでなく
介護を教えてもらっていると思った
「寒いからあなたは戻りなさい」
帰ることのできないその人の家を目指し
手をつなぎ歩く冬の夜
家に戻れるか不安でたまらないはずなのに
こう言って心配してくれた
その人は教師だった
そして「明日にしようか」とつぶやいた
「私は忘れてしまうかもしれないけど
あなたは私のこと覚えていてね」
その人は日々変わっていく自分に怯えていた
私はまるで親友のように
1つ1つの出来事に寄り添っていた
ふと言われたこの言葉に続けてこう言ってくれた
「あなたは初めて優しくしてくれたお友達」
優しくゆっくりとその人が離れていくような気がした
「ご苦労さんでしたありがとう」
最愛の伴侶が先に逝ってしまったその人
最後に一目伴侶に会えるように
介助しながら葬儀に同行した
認知症で会話も難しいその人も
いつもと違う何かを感じているような表情だった
これは葬儀から帰る途中に
突然言ってくれた労いの言葉だった
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